土留めと擁壁の違いとは?種類・法規制・工事の選び方
こんにちは!岐阜県瑞穂市を拠点に、岐阜市・大垣市・瑞穂市などで造成工事や外構工事を手がける株式会社晃絆建設です。
「土留めと擁壁って何が違うの?」「擁壁と土留めは同じ工事のこと?」と、土地の造成や外構のお見積りをきっかけに疑問を持たれる方は少なくありません。結論からいうと、土留めは「土が崩れないように支えるもの」の総称で、擁壁はその中でも、高低差のある土地に恒久的につくる壁状の構造物を指します。
この記事では、土留めと擁壁の違いを「役割」「種類」「法規制」の3つの視点で整理し、どんな場面でどちらが必要になるのかまで解説します。

この記事でわかること
土留めと擁壁の違いを一言でいうと
土留めも擁壁も、「土砂が崩れたり流れ出したりするのを防ぐ」という目的は同じです。違いは指す範囲にあります。
土留め(土の崩れを防ぐもの全般)
簡易的な土留め
花壇まわりのブロック積み、庭の小さな段差など
仮設の土留め
掘削工事中に周囲の土砂が崩れないよう一時的に設けるもの
擁壁
高低差のある土地に恒久的につくる壁状の構造物
つまり、擁壁は土留めの一種です。「土留め=小さなもの、擁壁=大きなもの」と単純に分けられるわけではなく、土を支える目的のうち、高低差のある土地の土圧を長期にわたって受け止める壁状の構造物を、特に擁壁と呼んでいます。
土留めと擁壁の違い早見表
| 項目 | 土留め(総称) | 擁壁 |
|---|---|---|
| 意味 | 土砂の崩壊・流出を防ぐための工事や構造物全般 | 高低差のある土地で、土圧を受け止めて崩壊を防ぐ壁状の構造物 |
| 設置期間 | 仮設(工事中だけ)から恒久的なものまで幅広い | 恒久的(建物と同じく長期間使い続ける) |
| 主な材料・工法 | ブロック、石、鋼矢板、親杭横矢板など | 鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造、練積み造(間知石・ブロック) |
| 規模 | 花壇まわりの小規模なものから大規模なものまで | 宅地の高低差や造成地の境界など、一定以上の高低差に対応 |
| 法規制 | 小規模なものは規制を伴わない場合もある | 高さや土地の条件により、法令や自治体の基準の対象になる |
土留めとは?(小規模なもの・仮設のもの)
土留めとは、斜面や掘削した部分などの土砂が崩れないように、石やコンクリート、矢板などで土を堰き止める工事、またはその構造物のことです。土を支えるものであれば広く「土留め」と呼ばれるため、場面によって中身はかなり異なります。
小規模な土留め
花壇の仕切りや、庭の小さな段差を支えるブロック積みなどです。土の量や高低差が小さく、法的な制約を伴わないケースも多いため、一般に「土留め」と呼ばれます。ただし、土の重さを受け続ける以上、排水や基礎の考え方を欠くと、傾きや崩れの原因になります。
掘削時に使う仮設の土留め
造成や基礎工事で地面を掘り下げるときは、周囲の土砂が崩れ込まないよう、一時的に土留めを設けます。鋼矢板や親杭横矢板などが代表的で、工事が終われば役目を終えます。弊社の造成工事でも、掘削に先立って周囲の土砂の崩れを防ぐ土留め工事を、工程の一つとして行っています。
仮設の土留めと擁壁の決定的な違い
仮設の土留めは工事中の安全確保が目的で、完成後は残りません。一方、擁壁は工事が終わったあとも土を支え続ける「恒久的な構造物」です。この点が、同じ「土を支える」でも両者を分ける大きなポイントです。
擁壁とは?(構造と代表的な種類)
擁壁(ようへき)とは、高低差のある宅地や斜面地などで、土砂が崩れることを防ぐために設ける土留めの壁のことです。切土や盛土をしたときに、土のままでは安定を保てない場所へ築造されます。
擁壁の構造は大きく3つ
鉄筋コンクリート造
コンクリートの中に鉄筋を組み込んだ擁壁。強度が高く、住宅地で広く使われています。
無筋コンクリート造
鉄筋を入れず、コンクリートの重さで土圧を受け止める擁壁です。
練積み造
間知石やコンクリートブロックを、裏側をコンクリートなどで固めながら積み上げる擁壁です。
代表的な形式
形状では、自重で土圧に耐える「重力式」や「もたれ式」、底板を持つ「L型」「逆T型」「逆L型」、ブロックを積み上げる「ブロック積み(練積み)」などがあります。L型擁壁は、底板を敷地側に設置するため敷地ぎりぎりまで使いやすく、土地を広く活用したい場合に選ばれることがあります。どの形式が適しているかは、高低差、土質、敷地の広さ、隣地との境界条件によって変わります。
擁壁は「つくって終わり」ではありません
擁壁は、築造後も安全な状態を維持することが求められる構造物です。壁の裏にたまった水は土圧を大きくするため、水抜き穴や裏込めの排水が機能しているかも重要になります。擁壁のある土地を所有する場合はもちろん、購入を検討する場合も、既存の擁壁の安全性を確認しておくことが大切です。
高さで変わる法規制の目安
土留めと擁壁の実務上の大きな違いが、法令や自治体の基準が関わるかどうかです。ここでは代表的な2つの目安を紹介します。なお、規制区域の指定や運用は自治体ごとに異なるため、実際の計画では必ず市役所などの窓口で確認が必要です。
① 建築基準法
高さが2mを超える擁壁は、工作物として建築確認申請が必要になります。
② 宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)
切土で高さ2m超、盛土で高さ1m超(切土と盛土を同時に行う場合は2m超)の崖が生じる場合、擁壁などによる崖面の崩壊防止措置が求められる目安とされています。
ブロック塀は土留めの代わりになりません。一般的なブロック塀は、敷地を区切る・目隠しをする目的でつくられており、土の圧力に耐えるようには設計されていません。高低差のある場所で土を支える用途に使うのは危険です。
「高さ2m以下だから何も要らない」とは限りません。土地の条件や用途によっては、自治体の指導や別の許可が必要になることもあるため、計画の初期段階で確認しておくと安心です。
こんなときはどちら?ケース別の考え方
| 状況 | 必要になりやすいもの | 考え方のポイント |
|---|---|---|
| 高低差のある土地に家を建てたい/造成後の敷地境界に段差ができる | 擁壁 | 高さ・土質・隣地との関係で形式が変わる。法規制の確認も必要 |
| 庭の小さな段差、花壇、畑まわりを整えたい | 簡易的な土留め | 小規模でも排水と基礎を考えないと傾きや崩れの原因になる |
| 造成や基礎工事で地面を深く掘る | 仮設の土留め | 工事中の安全確保が目的。地盤や掘削の深さで工法を選ぶ |
| すでに擁壁がある土地を購入・相続した | 既存擁壁の確認 | ひび割れ・傾き・水抜き穴の状態を確認し、必要に応じて補修や造り替えを検討 |
実際には、現地の高さ・地盤・水の流れを見ないと判断できないことがほとんどです。「土留めで足りるのか、擁壁が必要なのか」は、現地調査のうえで決めるのが確実です。
岐阜市・瑞穂市・大垣市で土留め・擁壁をご検討の方へ
株式会社晃絆建設は、岐阜県瑞穂市を拠点に、岐阜市・大垣市・瑞穂市などで造成工事・外構工事・公共工事を手がけています。造成工事では、まず現地調査を行い、概算見積りをご提出したうえで、掘削に先立つ土留め工事も含めて工程を組み立てます。社内には1級土木施工管理技士も在籍しており、現場の状況に合わせた工法をご提案します。
土留めと擁壁のどちらが必要か分からない段階でも、土地の状況を見てご説明しますので、お気軽にご相談ください。造成工事の進め方は造成工事のページでも紹介しています。
よくある質問
Q. 土留めと擁壁は、費用がどちらが高いですか?
一概にはいえません。高さ・延長・地盤の状態・工法によって大きく変わります。一般に、高低差が大きく恒久的な擁壁は工事の規模が大きくなりやすい傾向がありますが、現地調査のうえで見積りを取ることをおすすめします。
Q. 高さ2m以下なら、申請や許可は不要ですか?
建築基準法上の確認申請は高さ2mを超える擁壁が対象ですが、2m以下なら何も不要とは限りません。土地の条件によっては、盛土規制法に基づく許可や自治体の指導が関わる場合があります。事前に自治体へ確認してください。
Q. ブロックを積んで自分で土留めをしても大丈夫ですか?
花壇や小さな段差程度なら可能な場合もありますが、排水や基礎が不十分だと傾き・崩れの原因になります。高低差が大きい場所や、隣地・道路に面している場所は、専門業者への相談をおすすめします。
Q. 既存の擁壁が古いのですが、そのまま使えますか?
ひび割れ、傾き、水抜き穴の詰まりなどがないか、状態によって判断が分かれます。見た目に大きな異常がなくても、構造が現在の基準に合っているかは別の問題です。気になる場合は、一度現地を見せてください。
まとめ
土留めは「土の崩れを防ぐもの全般」、擁壁はその中の「高低差のある土地に恒久的につくる壁状の構造物」です。簡易的なものから仮設、恒久的な擁壁まで、場面によって必要なものは変わり、高さによっては法令上の手続きも関わってきます。
岐阜市・瑞穂市・大垣市で造成や土留め・擁壁のご相談は、現地調査から対応する株式会社晃絆建設までお気軽にどうぞ。


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